ヤンキー王子とラブレッスン④【完】

五十嵐くんは、手に持っていた楽譜をクルッと丸めて、あたしの頭を軽く叩いた。


「バイオリンの楽譜探してたんだよ。
つか、授業をサボるなら、ここに限るだろ」


「……え?」


「楽譜は山ほどあるし。
楽器だって、たくさんあるし。
暇つぶしには、もってこいだ」


……って、五十嵐くん。


どうせ、ここでバイオリンを弾いているなら……。