「五十嵐くんが……。
あたしのことを助けにきてくれるわけがないもん。
あたしの居場所も……。
あたしが怖い目にあってることも。
五十嵐くんが……知ってるはず……ないもん」


そう、あのとき。


五十嵐くんに、電話をかけたいとは、思ったよ?


でも……。


実際には、しなかった。


できなかった。