「今は……」


「……今は……なに?」


前を歩く五十嵐くんに、そんな言葉を投げかけたとき……。


「やぁ……。
ここで……なにを……してるのかなぁ?」


数メートル先から、薄気味悪い間延びした声が聞こえ……。


汚い服を着て、血まみれの……たぶん男の人がやってきた。


暗い中、目をこらしてジッと見ると……。


その人は、手に注射器のようなものを持っている。