不愛想なクセに、かずくんが……。


スタッフさんからも愛されていることにびっくりしながら、スタジオにとぼとぼ戻る。


あたし……。


こんなところで、いったいなにしてるんだろう……。


こんなの……流されすぎ……だよね。


「はははっ……」


乾いた笑いを口にして、スタジオのドアを開けると……。


「……っ」


すでに、かずくんの撮影が始まっていた。