ヤンキー王子とラブレッスン④【完】

細く暗い廊下は、延々と続く。


途中、崩れかけた部屋がたくさんあって、チラッとのぞいたけど、なんにも起こらなくて……。


あたし達は、2階へと続く階段をのぼり始めた。


「もしかして。
このままなにも起こらないとか……。
あるかなぁ?」


そんなひとり言を口にすると……。


「心優、それ、斬新!」


あたしをチラッと振り返り、五十嵐くんは短い口笛をピュッと鳴らした。