それから、あたしにひとつウインクをして……。


スタスタと。


あたしを振り返ることなく、迷路を進み、外に出て行った。


ひとり残されたあたしは、へなへなと……。


コンクリートの壁を伝って、座り込んだ。


どうして、かずくんは……。


いつもあたしに意地悪するんだろ。


小さいときから、いつもそう。