やだって……。やだって……言わなきゃ。 「ごめ、なさ……っ」 口をついて出たのはそんな言葉で。 想いと真逆のその言葉に涙が出る。 「……ごめん」 すぐそばで低い声が聞こえた刹那。 「はや……」 思いきり抱きしめられた身体は苦しくて、同時に混乱した。 私が嫌いになったんじゃないの?あの子が、好きなんじゃないの……? 髪になにかが触れて、隼人の身体がゆっくり離れた。 すぐに背を向けた隼人は、大通りへ歩き出す。