互いの眼差しが捕らえ合うとそれを合図に、浪士達は斬り掛かって来た。 妃絽は咄嗟に打掛を脱ぐと、浪士達に投げつける。 「逃げた方が良いよ、雛菊さん」 巻き込んでしまった雛菊にそう告げると、妃絽は窓の桟に足をかけた。 そして、雛菊が座敷から出るのを確認すると、下に飛び降りる為に外に身を乗り出した。 「じゃあね、お馬鹿な浪士さん達」 窓の桟を蹴ると同時に腕に鋭い痛みを感じた。 「くっ」 妃絽は地面に着地すると、闇にその身体を紛れ込ませた。