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「よいしょ…っ!」



妃絽は木の上のボールを取ると、軽やかに地面に降り立つ。


取ったボールを子供達に渡すと、子供達は礼を言い、元気よく走り去って行った。



「俺達いなくても、良かったよね」



「確かに」



あっという間にボールを取ってしまったため、夏樹がいる意味がなかった。



「いや、必要だよ。この池に落ちそうになった時に道連れするためにね」



「「(道連れかいッ!)」」



妃絽の発言に夏樹と繭は同時に心の中で突っ込んだ。



声に出さないのは毒舌で倍返しになって返って来るから。