揺れる水面 映る月影は何処から



妃絽は着物を脱ぎ、襦袢だけになった。



そこからは雛菊のされるがままに芸妓の格好をさせられた。


「妃絽~、準備は出来たか?」



すると、きらびやかな襖はゆっくり開けられ、同じく芸妓姿の山崎が現れた。



元が良い彼は芸妓姿も良く似合い、女にしか見えない。



ふと山崎は妃絽の姿を見てると動きを止め、顔を赤らめた。



「妃…絽…?」



「何だよ、その化け物を見たような目は?良いよ、どうせ似合ってないし」



妃絽は不愉快そうに顔を真っ赤にする山崎を睨みつけた。