「騒がしいぞ、二人共!山南君が落ち着いて休めないじゃないか!」



すると、近藤が道場内に怒鳴り込んで来た。



「「こんりょうひゃん!」」



舞咲と土方は互いの頬を引っ張り合いながら、近藤を見た。



頬を引っ張り、皮が伸びている姿は何とも間抜けな光景である。



ふと近藤の後ろに立つ羽織を羽織り、青白い顔をした男が目に入った。



「私は大丈夫ですよ、近藤さん。元気があるのは良いことです。私は此処の総長をしている山南敬助と申します」



男――、山南は仏のようにやんわりとした笑顔を浮かべた。



妃絽は頬を引っ張る土方の手を払うと、夏樹と共に自己紹介をするのだった。



この時、頬が赤く腫れ、マヌケ面だったのは言うまでもない。