「辞めたよ。正確に言うと二ヶ月じゃなくて、一ヶ月と29日だけど」 「何で辞めたんだ?」 藤堂に代わって、今度は原田が質問して来た。 少し離れた場所にいたはずの土方がいつの間にか、話の輪に混じっていた。 「それは――」 すると、突然、妃絽の言葉を遮るように大きな物音が響く。 道場の角の方で話をしていた四人は物音がした方に視線を向けた。 そこには、盛大に転んでいる夏樹とそれを唖然と見つめる沖田と斎藤、永倉の姿があった。