「勝者、斎藤」 手合わせを制したのはやはり斎藤だった。 手合わせしたを彼は精鋭ばかりが揃う新選組の三番組組長をしている。 負けて、当然と言っていい結果だ。 「斎藤君。君、本気出しましたよね?」 ふと審判をしていた沖田が斎藤に近付き、問い掛けた。 「…ああ。二ヶ月しかやっていないと言っていたが、基礎はきっちり心得ていた。おそらく、本気を出さなかったら、俺は負けていただろう」 「斎藤君がそこまで言うなら、戦ってみたいですね」 沖田は喉の奥で低く笑うと、話の種である人物に目を向けた。