妃絽と夏樹はどちらからやるか悩んだが、結局妃絽からやることになった。 手合わせの相手である斎藤は既に道場の真ん中に立っている。 妃絽もそこに移動すると、彼と向き合った。 「両者、構え」 審判である沖田の言葉で、互いの身体に竹刀の先を向けるように竹刀を構えた。 斎藤は左利きらしく、構えが少し異なっていた。 しかし、妃絽はそれを気にする様子はない。 そして――。