男所帯の新選組にとって、妃絽は風紀を乱すモノでしかない。 そう考えれば、反対するのが妥当だろう。 「駄目なら、出て行く」 妃絽は止めていた歩みを再び始めようとした。 しかし、立ち去る時に何も言わずに行く妃絽ではない。 「あ~あ、何処に行こうかなぁ~。住む場所ないし、仕方ないから身体でも売って、金稼ぐかなぁ。でも、京の町って危険だよね」 妃絽はわざとらしく、大きい声で嫌みを言う。