「妃絽ちゃんが戻って来て良かったですね、土方さん」



「ああ」



「まあ、恋敵は多そうですけど」



沖田の言葉に土方は鼻で嘲笑う。



「恋敵が多かろうが、そんなのは関係ねぇ。俺と妃絽は恋仲だからな」



「そんなのは関係ありませんよ。どんなに素直な人でも恋の前では貪欲なんですよ」



妖艶に笑う沖田は土方を見下すかのような目で見た。



まるで、すぐに妃絽は自分のモノになると言うかのように。



「そ、総司いぃぃぃぃ!!!」



土方の叫びが屯所内に響くと共に妃絽達の笑い声も響き渡った――。