そして、彼の顔が妃絽に近付いて来た。 「俺にはお前が必要だ」 「土方さん…」 妃絽も目をつぶり、それに答えようとした。 ――が。 「いや~、恋って良いですねぇ~」 良い感じの雰囲気を壊すような呑気な声が聞こえた。 首を捻ると、呑気な声の主がいた。 「影時!」 「知り合いか、妃絽?」 「私をこっちに来れるようにしてくれた人。んで、何の用で此処に?」 妃絽は影時を睨みつけた。 「ん?お詫びがあったから、また来たんですよ」 「お詫び?」