顔を上げると両親は顔を見合わせ、笑みを浮かべていた。
「頑固な所はあなたそっくりね」
「うるさいな。妃絽の男勝りで危険を顧みない所は若い頃のお前にそっくりだ」
「まあ」
そんな会話をしている両親に妃絽は頭を傾げた。
すると、両親は立ち上がると妃絽に近付いて来た。
「妃絽、親としてやってはいけないことをした私達を恨んでも構わない。でも、これだけは覚えておいて」
「何?」
「私達は貴女の幸せを願ってる。どんなに離れていても、貴女は私達の大切な娘よ」
優しく笑う母の言葉に父も頷く。
ふと妃絽の頬に涙が伝う。



