―――――――― ―――――― ―――― ―― 妃絽は自分が経験した幕末へのタイムスリップのことを話し終えると、息を吐いた。 顔を上げれば、話を理解し難いと言わんばかりに両親は顔を歪めている。 しかし、櫂人だけは違った。 姉である妃絽の言うことを理解し、本当だと信じていると言うような顔をしていた。 妃絽はそれを嬉しく思いながら、両親に向かって頭を下げる。 「私は幕末にいる彼らの傍に在りたい。だから、ごめんなさい」 ふと頭上から苦笑が聞こえた。