ドアを開ければ、ソファーに腰掛ける両親と櫂人、齋が目に入った。 今日急ではあるが、両親が出して来た共に暮らすという提案に答えることにしたからだ。 齋は「後はご家族で」と応接室を出て行ってしまった。 室内には妃絽と両親、櫂人しかいない。 一週間程前にあんなことを言ってしまっただけあって、妃絽は両親と顔を合わせづらく、下を向いていた。 すると、母が口を開いた。 「妃絽、答えは出た?」