「すぐに結論を出せとは言いませんよ。貴女に一日だけ考える猶予を差し上げます。ですが、結論を出せなければ、道を作る時越池が埋められてしまいますからね」 そう言って、影時は身を翻し、霧のように姿を消した。 その場に残された妃絽は呆然と立ち尽くしていた。 「妃絽、帰ろう…。皆が待ってる」 夏樹は呆然とする妃絽の手を引き、歩き出した。