妃絽は繭に近付くと近くにあった雑誌を丸め、思い切り彼女の頭を叩く。



スパーンッ。



かなり痛そうな音がした。



「いったいな!何するの、妃絽!」



繭は頭を押さえながら妃絽に痛みを訴える。



すると、妃絽はそんな彼女の首に腕を回すと力を込めた。



「何するのじゃないわ、ボケが!こっちは色々と悩んでんだよ。少しは空気を察しろ、KY!いっそ、空気になってどっかに散れ」



首にかかる力と精神的ダメージを与えられた繭は白目を剥き、泡を吹きそうな勢いだった。





ふと妃絽の目端が窓の外を捉えた。