両親と弟が妃絽を尋ねて来てから一週間が経った。



そろそろ結論を出さなくてはいけない頃だというのに、妃絽はまだ結論を出せずにいた。



そんなある日。



妃絽は珍しく自室の机で受験勉強をしていた。



焦る気持ちを勉強で静めようとしたが、逆効果だったらしく、余計に焦りが出て来ていた。



「どうしよう…」



妃絽は持っていたシャーペンを置くと、机に突っ伏した。



すると、何の悩みもないような笑い声が彼女の耳を刺激する。



それに苛立った妃絽は笑い声の方を睨みつけた。



そこにはベッドに寝転がり、雑誌を読む繭がいた。