揺れる水面 映る月影は何処から



妃絽は夏樹の手を払うと、池の表面を思い切り叩いた。



その衝撃で映っている太陽がユラユラと揺らぎ、飛沫が上がる。



「あんな顔するなら、やらないでよ…。バカ方が」



妃絽を突き落とした時、土方は哀しさを堪えるような顔をしていた。



本心ではないことは着水までの短時間でも理解出来た。