もし、今夜月が出ていなかったら、土方は妃絽達を未来に帰すのを諦めていた。 それは時を支配する者が彼女達がこの時代に留まるのを許すと言っているようなモノだと考えていたからだ。 しかし、実際は違った。 時を支配する者は彼女達をこの時代に留めるのを許さず、妃絽を傷付けただけだった。 「ごめんな、妃絽…」 土方は歯を食いしばると、彼女の名を呟いた。 まるで、自分を責めるかのように――。