彼には話していないが、今夜は満月で、未来へ帰る道が開かれる日。 話していないのだから、土方がそのことを知っている訳がないのだ。 それでも、もしかしたら――。 妃絽は疑いの眼差しを土方に向けた。 「たまには夜の巡察に出てみるのも良いだろ?まあ、夜の隠密活動と変わりねぇけどな」 どうやら、土方はあのことを知らないようだ。 妃絽はほっと肩を落とすと巡察について行くことに承諾した。 しかし、この承諾こそが後に自身を哀しみの淵に立たせることになるとは妃絽は知らなかった――。