揺れる水面 映る月影は何処から



「何なんだ、あれは。とうとう馬鹿になったか?」



妃絽は頭を捻る。



そんな彼女の前に斎藤が現れた。



「どうした、望月?」



「斎藤さん。何か、三馬鹿が馬鹿なんだけど…」



「三馬鹿?ああ、藤堂達のことか。奴らが馬鹿なのはいつものことだ」



斎藤はばっさりと言い切ってしまった。



「意外に毒舌だね、斎藤さん」



「お前も人のことは言えんだろう。さっきもだが、いつも俺より毒舌だぞ」



妃絽はあまりの言い切りの良さに笑っていた。



しかし、斎藤に毒舌を指摘され、言葉では言い表せない程凄い顔になった。