「沖田さん?」 返事はない。 もう一度、名前を呼ぼうと口を開こうとした。 「俺達は離れていても君を想っていますから」 沖田はそう囁くと、身体を離した。 妃絽は言葉の意味を尋ねようと彼の方を振り返った。 すると、沖田は哀しそうに眉を寄せながら笑っていた。 「沖――」 「もう寝る時刻です。おやすみ、妃絽ちゃん」 そう言って、彼は自分の部屋に戻って行った。 「何なんだ…?」 沖田の行動に頭を捻りながら、妃絽も自室に戻った。