「ん~、良い湯だった~!」
その夜。
風呂から上がった妃絽は縁側で涼んでいた。
すると、床が軋む音がする。
「風邪引きますよ、妃絽ちゃん」
声のした方を見れば、羽織を肩にかけ、寝間着姿の沖田が立っていた。
「沖田さん。私は身体は頑丈だから風邪は引かな――、わっ!」
言葉を遮るように肩にかけてあった手ぬぐいが頭に乗せられた。
そして、沖田の気配が背後に来たのを感じると、その手が頭にある手ぬぐいに触れた。
「濡れた髪はちゃんと乾かさないと傷みますよ」
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