「繭達なら許してくれるよ」 夏樹は妃絽の頭を撫でる。 大半の毒を吐いている相手である夏樹だが、妃絽が落ち込む時はいつも慰める側に回る。 日頃、毒を吐かれているというのに彼は妃絽を恨むこともない。 おそらく、生まれた時から共に育ち、共にいたからそういう想いはないのだろう。 そんな夏樹だからこそ、妃絽は弱みを見せることが出来るのかもしれない。 妃絽は夏樹に頭を撫でられながら、小さく頷いた。 そんな二人を見ていた山崎はその場から静かに離れた。