「はい。月影が映る水面なら何処でも構いません。でも、出るのは時越池ですので、ご安心を」



妃絽は疑うように影時を見ると、彼は毒舌が来るのではと警戒し、足早に去って行った。



聞きたいことはなかったが、何故あんなにも警戒するのか妃絽には分からなかった。



彼女は毒舌なのは無自覚らしい。



「妃絽、今の本当かな?」



「さぁね」



妃絽は団子を一本取ると、一つかじった。



もし、今聞いた話が本当なら未来へ帰れる。



しかし、妃絽は未来に帰りたいとは思えなかった。