「はい。流れる水は時が流れるようにあっと言う間に流れてしまいますが、影…、月や太陽を水面に映します。人が過去を引き継ぎ、未来に繋ぐように…」
影時はカッコイイことを言っているが、要は――。
「水みたいに今がどう流れるか掴めないから例えられないでしょ?」
妃絽の鋭い突っ込みに影時はビクリと肩を揺らした。
当たりらしい。
「だったら、カッコつけないで簡単に説明してよ、このキザ坊主。私、まどろっこしいの嫌いなんだよね。あんた、紛いにも僧侶なんでしょ?だったら、馬鹿でも分かりやすく言いなよ」
ちなみに紛いにもは強調し、馬鹿は夏樹を指している。



