妃絽の問いに影時は「クククッ」と喉の奥で笑う。 「例えられるモノはありませんよ。しいて言うなら、透明ですかね」 「透明?」 「はい。今生は今見えているモノです。例えるモノなんて…、ありました」 ハッとするように顔を上げた影時に妃絽と夏樹はずっこけそうになるが、それをどうにか堪える。 すると、注文していた団子が運ばれて来た。 「何?例えられるモノって」 「水…、水面です」 「水面?」