何故なら、影時の目は左右の色が異なっていたからだ。 右目は黄金色、左目は紅…。 左右対照の色はまるで、月と太陽のようだ。 「ああ、この目ですか?これは過去と未来を示しているのですよ」 「過去と未来?」 いじけていた夏樹が復活し、話に加わる。 「ええ。右目の黄金色はまだ見えぬ未来を限りなく続く月の満ち欠けに例え、左目の紅は過去までを照らし続けた太陽に例えられています」 「ならば、今生は?」 過去が太陽で、未来が月の満ち欠けならば、妃絽達が生きる今は何に例えられるのだろうか。