「…苦っ!何すんだよ、変態!」 妃絽は身体を起こすと、真っ赤な顔で唇を袖で拭った。 「なかなか飲まねぇから口移しで飲ませただけだろうが」 土方はうっすら濡れた唇を指で拭う。 その姿は無駄に色っぽい。 ちなみに今のキスが妃絽のファーストキスだった。 ファーストキスが薬の味なんて何とも色気のない話だ。 しかも、口移しをしたのに彼が余裕そうな顔をしているのが妃絽にとって、ムカつくこの上ない。