そんな訳がない。 現に妃絽は脂汗を浮かべ、苦痛そうに顔を歪めている。 土方は薬包紙を開くと、湯飲みの中の白湯にそれを溶かした。 「ほら、これなら飲めるだろ?」 「量が倍になってるし…。やだ、飲まない」 「飲め」 「やだ!」 土方は妃絽の口に湯飲みを押し付けるが、口を開けない。 妃絽は意地でも飲む気はないようだ。