「眠いから寝る」 「薬飲んでから寝ろ!」 「傷は痛くない。ほっとけ」 妃絽は意地でも布団に潜ろうとしている。 ふと、土方の脳裏にある言葉が浮かんだ。 「お前、もしかして、薬が苦手なのか?」 彼の言葉に妃絽はギクリと肩を揺らす。 …図星のようだ。 「だって、苦いじゃん…。しかも、粉薬嫌い…」 「何で?」 「小さい頃、気管に粉薬入ってから駄目になった」 「苦くても嫌いでも飲まねぇとな。傷、痛ぇだろ?」 「…痛くない」