「ん…っ」



妃絽は目を覚ました。



傷のせいで熱が出ているのか全身が火照り、汗が滲んで来る。



「目が覚めたか?」



穏やかな声だ。



まだ視界がはっきりしないせいか、誰が傍にいるか分からない。



しかし、すぐに視界ははっきりし、そこにいた人物の顔が明らかになった。



「土方さん…?」



そう、鬼の副長と言われる彼だった。




先程の声はいつも目を吊り上げ、厳しい声色をしている土方のモノとは思えない程穏やかで、つい妃絽は呆気を取られた。