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ふと溜息が土方の口から漏れた。



夏樹から話を聞き、その後一度解散となった今、室内には土方と寝ている妃絽しかいない。



「守ってくれる存在の親に捨てられた…、か…。くだらねぇ理由で捨てるなんてふざけてやがる…」



土方はやり場のない妃絽の両親への怒りをどうにか押さえ込み、寝ている彼女の頭にそっと触れた。



滑らかで美しい黒髪を撫でる。



彼女を起こさないように、そっと――。