夏樹はそんな彼女を強く抱きしめた。 「俺が妃絽を守ってあげる…。妃絽を守って、愛してくれる人が出来るまで俺が守るから」 そう言葉をかけると、妃絽は頷き、火が付いたように泣き始めた。 彼女を傷付けない為に隠していた真実が逆に傷付けてしまった。 その悔しさに夏樹の頬に冷たい雨とは違う雫が伝った。 そして、その日から妃絽は自分で自分を守るように強気になり、今に至る――。