「ねぇ、父さん。妃絽にそろそろ真実を話した方が良いんじゃない?」 ふと園長室の僅かな隙間から夏樹の声がした。 妃絽はマキに静かにしてるように言うと、聞き耳を立てる。 「夏樹…。でもな…」 「死んだ母さんとの約束だから?でも、いつまでも真実を隠すのは…」 「じゃあ、夏樹は言えるか?妃絽は女だからいらないと言って、生きている両親にうちに預けられたって」 妃絽は目を見開いた。 そして、妃絽は唇を噛み締め、園長室のドアを勢い良く開けた。 「妃絽…」