―――――――― ―――――― ―――― ―― 妃絽は一階の園長室に向かう為、マキの手を引きながら階段を降りていた。 「会えると良いね」 「うん!妃絽お姉ちゃんはママとパパに会いたい?」 マキの言葉に妃絽は表情を曇らせた。 妃絽の両親は事故で死んで、この世にはもういなかった。 会いたくても、会えないのだ。 「会いたいよ。でもね、会えないんだ…」 「どうして?」 階段を降り終え、角を曲がれるとすぐに園長室のドアが見えた。 「それは――」