時の都に預けられた妃絽はすくすくと育った。 そして、あっという間に時が流れ、妃絽は14歳になっていた。 「妃絽」 ふと後ろから名前を呼ばれ、妃絽は後ろを振り返った。 そこには、同い年で時の都の理事長の息子である夏樹と見知らぬ幼い女の子がいた。 「夏樹、その子は?」 「ああ。今日から一時的にうちで預かるマキちゃん、四歳だよ」 「また?最近多くない?」 妃絽は夏樹の言葉に眉を寄せる。 そんな反応にマキは過敏に反応し、夏樹の後ろに隠れた。