すると、門の辺りで江里は足を止め、足元の何かを抱き上げた。 齋は抱き上げた何かを覗き込んだ。 ――ひらり。 雪の欠片が目の前を横切る。 「齋君、赤ちゃんが…」 腕に抱かれているのは降る雪のように白い肌の産まれて間もない女の赤ん坊。 その赤ん坊こそが妃絽である――。