しばらくすると、盥に湯を張り、清潔な手ぬぐいを持った斎藤と井上が部屋に来た。
医者が来るのにはまだかかりそうだが、山崎は治療を始めることにした。
「覚悟は良いか、妃絽?」
妃絽はコクリと頷く。
「ほな、抜くで」
山崎はクナイに手をかけると、一気にそれを引き抜いた。
抜かれる瞬間、妃絽は身体を弓なりに反らし、声にならない悲鳴を上げる。
クナイを引き抜いたにも関わらず、出血はあまりなかった。
おそらく、クナイが刺さっている間にほとんど血は止まってしまったらしい。
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