今はそんなことを気にしてる場合ではないのだが…。 それはその場にいた誰もが感じたことだった。 そんな疑問符を浮かべる彼を無視し、夏樹は妃絽の足の具合を見た。 「何でクナイが!?」 「説明は後にして…。今は早く屯所に…、うっ」 妃絽は太股に走る激痛に呻いた。 妃絽の額に脂汗が浮かび、顔面蒼白になっている。 ヤバイと感じた藤堂は夏樹に妃絽を背負わせた。 出来れば、もっと早く事態の重大さに気付いてほしかったものだ。