「妃絽?」 そんな妃絽の耳に届いたのは聞き覚えのある声だった。 見上げてみると、そこには浅葱色の羽織を纏う夏樹と藤堂達八番組がいた。 「夏樹…、藤堂さん…」 「こんな所でどうし――、その足どうしたんだよ!?」 真っ赤に染まる妃絽の太股を見た藤堂は大声を出した。 「わめくな…。任務中に…ハプニングが…あっ…て、追われ…て…んだよ…」 大声を出す藤堂を妃絽は一喝する。 「はぷにんぐ?」 妃絽が未来から来たことを知っている藤堂だが、その言葉がどういう示しているのか分からず、頭を傾げる。