「お前は悪くねぇよ。たたたんに長州の奴らの逃げ足が速かっただけだ」



そう言って、土方は京の街の方を振り返った。



「何なんだよ、これは!」



ふと土方の怒りの声が聞こえた。



妃絽も振り返ってみると、そこには炎に包まれる京の街があった。



長州は京から落ちていく際に、街に火を放って行ったらしい。



そして、炎は京の街を焼き払った。



まるで、長州の怒りと哀しみを表すかのように――。



こうして、後に『禁門の変』と呼ばれる戦いは長州の惨敗で終わりを告げた。



そして、長州は朝廷の敵として扱われて行くのだった。