入学式も終わりみんな挨拶をしあっている。

 正門に着いてしばらくするとケイタイがなった。

「もしもし」

「俺だけど今日仕事終わるの早かったから迎えに行くから。もう、むかってるんだけどね…」

「また急だね」

「だめだった?」

「ううん、大丈夫。着いたら電話して」

 ケイタイを切って申し訳なさそうにしている遥。

「彼氏でしょ?大丈夫だょ。これからまた4年間ずっと一緒だし」

 純一が目を丸くした。

「彼氏いた?」

「卒業してからできたょ」

「良かったね…」

 由香はクスクスと笑いながらうつむきかげんの純一を覗いた。

「純、残念でした」

「え〜っ!なんで残念なの?よくわかんない」

「遥は本当に鈍感なんだから」

 くつろいで話していると正門の前に止まった蓮の車を見つけた。

 車の前に立っている蓮に手を降った。

「彼氏?」

「うん」

「すごいかっこいいね」

「じゃあ、月曜ね。ごめんね」

「またね、遥」

 遥は蓮の車に乗り込んだ。