キィ…

扉が開いた。

ライブハウスにいた全員が振り返る。

大吾と祥子が驚愕し、叫んだ。


「っっ!!
なんで来てンだ?!
逃げろっつっただろーが!!」


「いやぁぁ!! 逃げてぇぇぇ!!」


「…
揃いも揃って…
そのような泣きそうな顔で逃げろと言われても、のう。」


既に閉じた扉の前で、美しい人が首を傾げて薄く笑った。

規定通り着こなした制服。
艶やかな黒髪。
低めの涼しげな声。
落ち着いた物腰。

そして、純真そのもののような微笑み。

完全に場違い。

西洋魔術で転送されたうさぎは、ライブハウスに姿を現していた。